ただいまIELTS 5.5 -オーストラリア留学生活-

オーストラリアで英語・ビジネス(Advanced diploma)勉強中のkikukenの思ったことやってること面白かったこと適当にシェアしていきます

スタッフの仕事への欲求 やる気を引き出す重要性について考えてみた。

スタッフのやる気、モチベーションの重要性

昨今、スタッフのモチベーションを高める必要性について理解していないと思われるような会社や組織が目立っている、と感じるようになりました。

 

例を挙げればきりがありません。懲罰的な”日勤教育”で福知山線での事故を引き起こしたJR、100時間を超える時間外労働を強制され上司からのパワハラにも晒された電通社員の自殺など。日本のやる気に対するマネジメントは稚拙である、というべき他ありません。

 

日本のモチベーションに対するマネジメントは基本的に「やる気を出せ」と叱責することでしょう。仕事の成果が上がらなければ、それは「やる気」の問題であり、時間外労働を拒否すればそれも「やる気」の問題。やる気がない個人は「怠惰」で「献身」が足りないから結果が出ない、というのが代表的な”日本流やる気のマネジメント”になります。

 

個人の献身、つまり労力を見返りを求めず他者に差し出すのは、基本的には美徳でしょう。しかし、組織と個人の契約関係の中で、組織が一方的に個人へその美徳を押し付けるのはどうでしょう。組織やその長はそれに属するスタッフや社会に対して何を差し出せるのかをきちんと考えなければなりません。

 

私個人の意見としては、「組織の第一の顧客はそれに属するスタッフであり、スタッフの働くことへの満足度が高くなければ組織外の顧客の満足度を高めることはできない」と考えています。そうでなければ、スタッフの労働生産性、モラル低下、貴重な労働時間などの様々なものが浪費され、組織を維持するのすら難しくなるのではないでしょうか。

 

スタッフのやる気が削がれることによる弊害の一例

欠勤・欠席

欠勤などが恒常的になる。理由のない、嘘の欠勤理由などによる欠勤などが増える

時間の浪費

休憩時間の増加、多すぎる仕事に関係のない世間話、仕事に関係のない電話、ネットサーフィンなどの増加

ゴシップ

仕事に関係のないゴシップ・企業、組織、個人や部署などの良くない噂などが広がることで仕事に影響が出る。

経費の増加や

嘘の経費報告

仕事に関係のない経費などの増加・経費を粉飾するなど。

作業の正確性

作業の正確性や品質が低下する。不良品の増加や顧客満足の低下。

作業のペース

作業ペースが上がらず、効率があらがらない。

責任の放棄や逃避

責任や職責、自主性の低下。誰も作業をしたがらない。

商品開発力の低下

商品開発や仕事の発想力が低下する。

モラルの低下

例:時間遵守

会議の時間、締め切り、出勤・退勤の時間を守らない。

会社風土から

かけ離れた行動

組織内の人員で共有している共通認識を無視する。独りよがりな行動。組織への不信感や反感。離職。

 

どうしたらスタッフのモチベーションを上げられるのか?

最初に申し上げると、スタッフのモチベーションを今すぐ、劇的に変える魔法のような方法はありません。細かな配慮と公平な制度を地道に構築していくことでしか、スタッフのモチベーションを改善する方法はないと考えます。モチベーションは個人の中の様々な要素とそれへの認識が複雑に影響しながら成るものだからです。

 

しかし、むやみやたら制度を乱立しても効果が上がらないのは目に見えています。スタッフが利用できる厚生宿泊施設をいくらグレードアップしたところで、スタッフのモチベーションは上がりませんし、金銭的なインセンティブには限界があります。組織や企業は、積極的かつ前向きに、個々のスタッフのモチベーションに対して関わり、それを高めるような公平な制度を構築していくことが、昨今のマネジメントの責任なのです。

 

モチベーションを上げるための制度と概要

仕事に対するモチベーションとそれを強化するための活動や制度は、スタッフ個人個人の

  • 安心
  • 自己肯定感・自己実現
  • 仕事の社会的意義

これらの認識を改善することで達成されるのではないか、と考えています。

 

安心

職場環境の安全と健康に関する認識。スタッフ個人が仕事をする上でどれぐら安心して仕事ができるかということに注力した活動や制度をつくる。健康診断、労働環境整備、いじめの防止活動など。

 

自己肯定感・自己実現

給与、手当などの報酬制度、ワークライフバランスなど仕事を通してどの程度自己肯定感を得られているかに関わる制度と環境整備。

 

仕事自体の社会的な意義についての認識

仕事をすることで一般的社会にどれだけの好影響を与えられているか、地域コミュニティーへの貢献、環境への働きかけなど。

 

スタッフの安心へ関わる要素や取り組み

  • 職場の安全と健康被害の防止への取り組み
  • 安全や健康被害防止への取り組みのためのリソースが与えられているか
  • 事故・不祥事の隠匿
  • いじめの防止 ー アンチディスクリミネーション
    • 言葉による虐待
    • 閉め出しや孤独化
    • 心理的な嫌がらせ
    • 仕事に関連のない課題を課す行為
    • 実行不可能な課題を課す行為
    • 勤務表の改ざん
    • 業務に欠かせない知識や資源などを提供しない行為
    • 人種・性別・宗教・民族・年齢・信条などを理由にした行為
    • その他職務権限を利用し、個人の不利益につながるよう意図する行為
  • リスクマネジメント
  • 社会保障
  • 雇用の保証
  • 生活を維持できるだけの収入は?
  • 設備の清潔さ
  • 健康
  • 家族の生活を支えられるか?

 

スタッフの自己肯定・自己実現に関わる要素や取り組み

  • 同僚・上司からの承認
  • 家族からの承認
  • 組織の多様性への寛容さ
  • 公平な評価と査定
  • 金銭的な報酬
    • 給与
    • 出世・昇進
    • 給与体系
    • インセンティブ・ボーナス
    • 手当
    • 契約
  • セキュリティー(身分・仕事の保証)や再トライの機会を与える下地があるか
  • 生産性
  • 経営権限
  • 適切な仕事量か?
  • ワークライフバランス
    • 勤務時間・通勤時間・休暇とのバランス
    • 出世・昇進
    • フレックス制度
  • 知識、知識体系や教育制度の有無
  • 達成・成功体験
  • 職責・どの程度職責が任せられていてるか、仕事の進め方などの自主性
  • 同僚、上司からのフィードバック
  • 同僚や上司との関係性
  • 他者のコミットメント、取り組み
  • 企業性
  • 個人の性格
  • 仕事への適性

社会的意義への認識に関わる要素

  • 職種
  • コンプライアンス
  • 職種と理想とのギャップ
  • 仕事を通した挑戦
  • 会社外・組織外の他者からの承認
  • 他者からのフィードバック
  • 一般的文化への貢献
  • 伝統的な文化への貢献
  • 知識体系への貢献
  • 生命・他者の健康への貢献
  • 組織の持続可能性(サステナビリティー)や環境への貢献
  • 地域社会・地域産業への貢献や連携
  • 自身の能力や才能、専門分野、その成長やそれを使って生きる喜び
  • 組織の提供するサービスや製品の需要
  • 自身の専門分野、得意とする業務の需要

 

 

 これらは、個人のモチベーションを構成する基本的な一部でしかありません。ですが、これらの基本的な制度や環境づくり、ガイドラインの整備を怠っている企業に勤めるスタッフのモチベーションについては、想像に難くないと思われます。

 

これらに限らず、何がスタッフのモチベーションを高めるのかを常にモニターしながら組織内の制度づくりを進めるのが、マネジメントの役割の一つであり、組織の長としての職責なのではないでしょうか?

 

 

参考文献

- Richard Newton. (2007) Managing Change Step by Step. Person education limited

- Mike Bourne & Pippa Bourne. (2016) Change Management in a week. John Murray Learning.

- Forsyth, Patrick. (2006) How to motivate people. Kogan Page