ただいまIELTS 5.5 -オーストラリア留学生活-

オーストラリアで英語・ビジネス(Advanced diploma)勉強中のkikukenの思ったことやってること面白かったこと適当にシェアしていきます

あなたが変化を引き起こすために、変化に欠かせない3つの要素

昔、私は自衛隊でとある飛行機(ヘリ)の整備の仕事についていました。

 

新人として働き始めある程度たったある日、部隊内に保管してあった展開先に持っていく工具や整備用品リストを点検しているとき、「本当にこれで良いのだろうか?」とふと疑問を感じました。

 

展開先に持っていくためにある程度の工具や備品を前もって用意しておき、いついかなる時にでも、それを持って出ればある程度の任務に対応できる様にする。そのための工具のはずでした。ですが、チェックを始めて見ると工具や備品類が異常に少なく、現実的には全く役に立たないであろうということが、誰の目にも明らかだったのです。

 

工具は車の中に常備している様な工具箱ぐらいの大きさで、とてもヘリコプターを整備するために用意されているものとは思えないほどでした。中に入っていた工具も数えるほどで、オイルも3L缶が一つだけ入っているだけ。これでは派遣された先での整備活動は本当に限られたことしかできない。整備も不十分なまま飛行機を飛ばすことはできないので、任務にも支障が出るのは確実でした。

 

私は、即時持ち出しが可能で、かつ2−3日の活動にも対応できるだけの工具と整備用品を見直すことが必要ではないか?と考え、それを直属の上司に進言しました。それを聞いた上司の言葉は実にシンプルかつ明確でした。

 

「新人のお前に何がわかる。黙って言われたことだけをやって入ればいい。」

 

私は言われたまま、日々のルーチンをこなす様になりました。

 

しばらくし雪が溶け、そろそろ春が来ると思っていた時、東日本大震災が起こりました。

 

当然私たちの部隊にも声がかかります。

 

しかし、私たちのいた部隊からでは、東北に飛んでいっても燃料補給が必要になるか1時間も活動できずに、その何倍もの時間をかけて燃料補給のために基地に帰って来ることになる。東北の近くに簡単な整備と燃料の補給ができる臨時基地の整備が急務となりました。幸い、燃料は近くの基地から補給を受けられることがわかったのですが、整備は基地まで帰らなければなりませんでした。

 

実際、私たちの部隊にいたヘリパイロット達はほぼ寝る間も休憩もなく、救難活動と途中の基地での燃料補給を繰り返しまし、整備のために基地に帰って来ることを繰り返しました。ですが、途中の基地に整備拠点を作るために、ヘリコプターに工具や整備用品を積み込み終わり、臨時の整備拠点が立つ目処がたったのは、震災が起こってから二日たった後のことでした。

 

 

荷物を積んだヘリコプターはダンボールと工具などでいっぱいになり、例の工具だけでは足りなかったのは明らかでした。

 

もし、あの時私が先輩とうまくコミュニケーションをとって、持ち出しの工具と整備用品を、あのいっぱいになったダンボール達の1/3でも用意しておければ、それを持って前線に整備拠点ができたかもしれない。ヘリパイロットが整備のために基地と東北を往復した何時間が短縮できただろう。それが救難活動に活かされていれば、後何人助けられたのだろうか。私はそんなことを考えながら、部隊内を奔走しました。

 

あの時もう少し何かできたのではないか、という気持ちは今も拭えない。それが命に関わることなのだから尚更だ。ただ、その当時の上司が悪かったのではなく、変化を起こせなかった自分の力の無さが原因なのだ。なぜなら、変化は誰かに起こしてもらうことではなく、自分でプロデュースするものだからだ。自衛隊をやめ、オーストラリアに来て勉強するうちに、いつのまにかそう思う様になった。

 

なぜか?

それを説明するために、変化とはなんなのかを説明した方程式を紹介したい。

C = (ABD) > X

C = Change 変化

A = The status quo dissatisfaction 現状に対する不満

B = a desired clear state 理想像

D = practical step to the desired state 理想への第一歩・具体的なステップ

X = the cost of the change 変化へのコスト(心理的・物質的なコスト)

 

つまり変化を起こすには、現状に対する不満と、理想、理想への具体的なステップ(行動や計画)が必要であり、それが変化を起こすためのコストよりも大きくならなければならない。もし、現状に対して不満がなければ変化は起こり得ない。同じく、理想がなければ変化は起こらない。具体的な計画や第一歩の行動がなければ、理想や不満があっても変化は起こらない。

 

私には最後の「理想への具体的なステップ」が欠けていた。ただ進言しただけで、具体的な行動を何一つ起こせなかった自分が誰を責められるだろうか。私は上司など無視するか、勝手に具体的な整備計画と整備計画に則った工具と整備用品のリストを自分で作り始めるべきだったのだ。そうすれば、それに賛同してくれる人が現れ、後押ししてくれたに違いない。具体的かつ必要と思われる整備と、そのための工具のリストと現状にある工具のリストの差分を見せつけ、「足りていない」と言えばよかったのだ。

 

変化をプロデュースするためには、この方程式の考えに則って行動すればいい。組織内に変化を巻き起こすというのは、組織内一人一人の3つの要素、1現状への不満、2理想像、3理想への具体的な第一歩、そしてコスト、これらにどう働きかけていくかを考えることだ。不満を掻き立て、理想像を掲げ、自分で具体的な第一歩を提案するのだ。立ちはだかるコストは、自分たちに賛同してくれる人が多くなればなるほどすくなくなる。

 

オーストラリアに来て、もう”先輩方”の時代ではない。これからは私たち若者がイニシアチブを取るべきなんだ。と思う様になった。苦しかろうが、大変だろうが一度こうしたほうがいい、と直感でも思ったことは大体正しい。それを無視して、現状に甘えるのは一番簡単だ。おそらく”先輩方”もそうして来た。それで今の日本の現状がある。

 

変化を巻き起こしたい。現状を変えたい。願いながらもどうしたらいいのかわからない誰かが、このブログを見てヒントが得られれば幸いです。